生贄のジレンマ 土橋真二郎 メディアワークス文庫

生贄のジレンマ〈下〉 (メディアワークス文庫)

クラス単位での対抗戦、騙し合い、第二ステージのコミュニケーションゲーム、真の愛に芽生える主人公、と最終巻はかなり内容がつまっていた。日常だったころの高校生活を振り返って、もっとクラスメイトと一緒に高校行事へ参加しておけば良かったと後悔したところは、読んでいて目頭が熱くなった。生贄の穴に入った者が生き残れる、というルールは、主人公たちが早いうちに気がついても良さそうなものだけど。行動的な主人公なら、ロープを垂らして内部を調べるくらいのことをするかと思っていた。どうしてこんなゲームに巻き込まれてしまったのかは、人類が滅亡するので人工知能が人間を選別するために始めた、という理由だった。

いい本でした。

なんだか、寄り道をしすぎてしまった気がする。早足で通り抜けるだけの道だったはずが、いつの間にか大切な場所になっていた。
p.278