『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』

タイトルに惹かれて。カルト的人気がある作品です。妹ものとして楽しむ作品というよりは、おたくであることの葛藤を読む本なのかもしれません。

主人公の高坂京介は、茶髪にピアスの今どきの女子中学生である妹の高坂桐乃が、妹もののアニメやゲームが大好きなおたくだったということを知る。桐乃とは仲良くなく、むしろ毛嫌いされていた主人公だが、桐乃の『人生相談』によって少しずつ桐乃の一面が見えてくる。一緒に妹もののエロゲーをやったり、桐乃とおたくとして共通の話題が話せる友だちをつくるために一緒にオフ会に参加してみたりしつつ。しかし厳格な父親に見つかってしまい、お兄ちゃんがんばる、という話。

p.55『妹と恋しよっ♪ 〜妹めいかぁEX Vol.4〜』、笑える。

p.73、妹もののエロゲーが好きだけど、安直に兄が好きというわけではないのがおもしろいかも。しかし可愛いな。

「優しいね、きょうちゃんは」p.84。、麻奈実には最強幼なじみの称号を与えよう。

p.94、というわけで『妹めいかぁEX』を始める主人公。笑える。「バカにするとかじゃなくて! おまえの前でコレをやるのが気まずいんだっての! 分かれよ! お茶の間でドラマ見てる最中、キスシーンになるどころの騒ぎじゃねえだろコレ!?」p.95、お茶の間でキスシーン、良い例えです。で、ディスプレイを怒鳴りつける主人公。「……ちょっとぉ、しおりちゃんを苛めないでよ」「おまえも現世に戻ってこい。それは絵だ」「絵って言うな!」p.96、笑える。「ほん……みょう……だと……? ……それは、なに? 絶対入力しないとダメなの?」p.103、桐乃に本名プレイを強要される主人公。選択肢「3.問答無用で布団から蹴り出した。」p.107、「しおりちゃんになんてことすんのよッ!!」p.108。この一連の流れがとにかく笑える。

沙織は普段はモデルかなんかだと思ったり。

父親におたく趣味のことがばれて、自分の気持ちを主人公に吐露する桐乃。「でも、やめないよ。絶対やめない。だって……好きなんだもん……すっごい好きなんだもん! それなのにやめるなんて……やだよ。できないよ……」p.239。

笑える本だったと思います。あとは幼なじみが可愛い。主人公が、妹は妹として見ているので恋愛フラグとかは期待出来ない作品だと思います。ただ、その妹との距離感が少しずつ近づいていく展開というのが心地いい本です。