本を読む本 M.J.アドラー、C.V.ドーレン 講談社学術文庫
多読をするうえで、読んでおいたほうがいい本を読もうと思い、古典とも言える名著だということで読んだ書籍。この本を読んで得たものは少ない。というのも、すでに知っていることが多かった。現代の一般的な読者なら、この本の内容はある程度当たり前にやっているのではないだろうか。それを文章として的確にまとめているところにこの本のすばらしさがある。
点検読書
- 表題や序文を見る
- 本の構造を知るために目次を調べる
- 索引を調べる
- カバーに書いてあるうたい文句を読む
- その本の議題のかなめと思われるいくつかの章をよく見る
- ところどころ拾い読みしてみる
分析読書
- 第一段階
- 本を分類する
- 著者が解決しようとしている問題が何であるかを明らかにする
- 第二段階
- 内容を解釈する
- 第三段階
- 理解するまで批評しない
- 批評的な判断を下すには、十分な根拠をあげて、知識と単なる個人的な意見を、はっきり区別する
小説の読みかた
速く読むこと。そして作品に没入して読みふけること。没入するとは文学に身も心もゆだね、作品がはたらきかけるままにまかせることである。自分が作中人物になりきって、どんな出来事も素直に受け入れてしまうのだ。ある人物の行動が肯定できなくても、自分の世界を離れて、その人の世界に住もうと努力すれば、やがて、理解できるようになる。判断を下すのは、自分がその世界の人物になりきったときでよい。p.209
読んでいれば、重要なことはおのずとわかってくる。
(前略)小説は、人生のようなものだ。実人生で起こる出来事が、すべて明瞭に理解できるとは、われわれは思っていない。ただ、過去としてふり返ったとき、はじめて理解できる。同様に、読者も、小説を読み終わってふり返ったとき、はじめて、事件の関連と行動の秩序を理解するのである。p.210
シントピカル読書
同一主題について二冊以上の本を読む読書方法。