『桜田家のヒミツ〜お父さんは下っぱ戦闘員〜』

桜田家のヒミツ―お父さんは下っぱ戦闘員 (電撃文庫)

桜田家のヒミツ―お父さんは下っぱ戦闘員 (電撃文庫)

作品全体の雰囲気や江戸っ子な登場人物たちが心地良い。最近読んだ本の中でも一番印象に残った好きな本です。

「だったら身勝手なことを言うなっ! 他人に文句を言うなら自分でもやってみせろ。自分じゃできないことを他人がやるのは当たり前だなんて、卑怯だろ、勝手すぎるだろっ!」p.128。夕食で母のハンバーグとコロッケは世界一だと言う源太郎だが、麗華は嘲笑してちゃぶ台をひっくり返してしまう。実は罪悪感もあったりする麗華。料理をつくり直せと迫る源太郎が言った台詞。この一連の流れが好きだなあ。全体的に昭和中期の郷愁みたいなものがある話だと思う。

悪の組織の人情話だと思って読んでいたら、いつの間にかヒロインが活躍して成長する話になっていた。最後まですらすら読めたし、ラストの盛り上がりも良かったと思う。型にはまった作品と言うことも出来るけど、こういう話好きだわ。