『扉の外』

扉の外 (電撃文庫)

扉の外 (電撃文庫)

主人公たちクラスメイトは修学旅行に向かうはずだったが、気が付くと教室大の密閉された部屋に軟禁されていた。部屋には最低でも生活に困らない設備が用意されている。「ソフィア」と名乗る人工頭脳コンピュータは、軟禁した経緯や生活するためのルールを説明する。「あなた方の存在した地球では戦争がエスカレートし、人類の滅亡の危機に瀕してしまいました」……。

生活ルールに組み込まれた戦略ゲームを中心にして、登場人物たちの行動や心の動きが描かれています。

第13回電撃小説大賞〈金賞〉受賞作。この作品は〈大賞〉を受賞してもおかしくないほどの作品だと思います。オリジナリティや発想という点で選ばれなかったんだろうか。

環境で左右させる人間の精神状態をここまで表現した作品は珍しいかも。ライトノベルの枠を超えた文庫だと思います。