映画 けいおん!

いい映画だった。思い返すとたのしいロンドン旅行だったなあ、と自分が一緒に旅行へ行ったような感じを受けるのは、この『けいおん!』って作品のいいところだと思う。シナリオが、テレビ最終回の伏線を消化するものだったので、まったく新しいシナリオではなかったのが少し不満だった。こういう話があって、最終回につながると考えれば、それはそれで感動するか。

ロンドンへ行くための準備、ロンドンでの出来事、梓のために曲をつくる。シナリオの構成が良かった。特に、回転寿司に入るための伏線として、梓足が痛い→靴を買いに行く→お腹へった→回転寿司→演奏って自然な流れがいいと思った。放課後ティータイムの行き当たりばったり感がよく出ている。

唯が飛行機で窓の遮光板を開けたら、空が赤く染まっていて感動するシーンの、唯の表情が一番印象に残りました。

あらすじ

部室でDEATH DEVILの曲を大音量でかけて演奏しているふりをして、部室にやってきた梓を前に、音楽性の違いでバンド解散の危機の小芝居をする。卒業する四人は、卒業を前に梓へなにかを贈れないか考える。クラスメイトが卒業旅行へ行くと聞き、軽音部も卒業旅行へ行くことにする。候補地は、唯がヨーロッパ、澪がロンドン、律がハワイ、紬が温泉をそれぞれ提案する。唯があみだくじでいかさまをする。トンちゃんの水槽にティーカップを沈めて、ロンドンに決まる。梓が帰ったあとに、四人で梓に贈るものを考える。梓がギターを忘れたことに気がついた唯が梓のギターに聞くと言って、ギターを倒してしまい衝撃で音が鳴り、歌に決める。梓のギターが教えてくれたと唯は言う。

ロンドンへ出発。唯梓澪が楽器を持ってくる。飛行機で唯が歌詞を考え、窓の遮光板をあげると空が赤く染まっていて、唯は感動する。ロンドンに到着し、澪の荷物だけ出てこない。ホテルを別のチェーンホテルと間違え、目的のホテルまで地下鉄で移動することにする。梓は新しい靴で足が痛いらしく、靴を買いに行く。お腹がへったところで回転寿司を見つけ、むぎが興奮する。入った回転寿司屋で店員と話すと、楽器を持っていたことで勘違いした店員に勧められて演奏する。インド人を見た唯が「カレーのちライス」を思いつく。演奏が終わり退店した後、演奏はラブ・クライシス、律と澪の知り合いのバンドと間違いだったということに気がつき、ラブ・クライシスのメンバーとも会う。ホテルに到着。ご飯は食べられず、憂が持たせてくれたインスタント日本食を食べる。唯と梓が同じ部屋になる。唯は三人の部屋へ行き、梓と行き違いコント。梓は唯が留年して、「唯先輩をなんと呼べばいいんですか」という夢にさいなまれる。起きた梓は唯の手元のメモを見て「あずにゃんLOVE」の言葉に戦慄する。ロンドン観光。ライブハウスの川上から電話があり、ロンドンで演奏してみないかと言われる。演奏することを決め、「ごはんはおかず」の英語歌詞を考える。ライブ当日。会場にさわ子先生が現れる。演奏。「ごはんはおかず」が長引き飛行機の時間ぎりぎりに。空港へ向かうタクシーの中で、背伸びをした歌ではなくて、放課後ティータイムそのままの歌を梓に贈ればいいことに唯は気がつく。

帰国。唯が「天使にふれたよ!」を作詞するが、「でもね、会えたよ! すてきな――」のつづきがうまく決めらない。卒業式当日、クラスメイトにお願いされ教室で演奏する。屋上が開いており、四人は屋上で話す。唯は空をとぶ白い鳥を見て天使を連想し、「でもね、会えたよ! すてきな天使に」と作詞する。四人でお茶を飲み、梓にどのように歌を切り出すか小芝居を決めているところに梓が現れる。梓に「天使にふれたよ!」を披露する。四人で帰る。足だけのアングル。梓の卒業旅行を考える。

おしまい。

エンディング曲は「Singing!」と「ぴゅあぴゅあはーと」。