『ちーちゃんは悠久の向こう』

ちーちゃんは悠久の向こう (新風舎文庫)

ちーちゃんは悠久の向こう (新風舎文庫)

ちーちゃんこと歌島千草がうっかり悠久の向こう側に逝ってしまうのを、主人公はただ見ていることしかできない、というような話。だと思います。幽霊好きのちーちゃんが、学校に伝わる七不思議のひとつである『苔地蔵様』を調べ確かめる内に、七不思議の力で見えないものが見えるようになってしまう。正常な生活を送れなくなり、浮世離れしていくちーちゃんと主人公・モンちゃんの話。

 陸上部の練習が終わり、砕け散った僕は昇降口にへたりこみ自分の部品を探していた。とても疲れた。ひどく疲れた。体はとうにバラバラだ。足も手もほとんど感覚がなく意識は茫漠としていた。足の筋肉がピリピリと張りつめ動かすと鈍くだるい感覚がある。
p.44

この表現すごい好き。

ま。
さ。
か。
p.267

すさまじくありえない展開に戦慄した。

「おもしろい」としか感想が書けないくらいおもしろい作品です。おすすめ。

この本で日日日の本は15冊読みました。