『狂乱家族日記 八さつめ』

狂乱家族日記 八さつめ (ファミ通文庫 あ 8-1-8)

狂乱家族日記 八さつめ (ファミ通文庫 あ 8-1-8)

凶華さま不在でおくる八さつめ。じゃあ誰が凶華さまなのかというと凶華さまの肉体の持ち主破壊神・SYGNUSS。なんだかんだ言いつつ根は良い子なSYGNUSSが、仲良し家族作戦の術中にはまってしまう様子がかわいいです。

地球をどうにかするつもりがない強欲王もなりをひそめる中、ピエールが治める凶華人民共和国は化け猿たちが凶暴化するという狂乱に見舞われる。同じころ大日本帝国の歓楽街・正夢町では各所で火事が多発し、銀夏がつとめる『ビルゴ』も大わらは。

月香は強欲王のプロポーズに応えようと強欲王を探すが、強欲王は『ビルゴ』で酒を飲みミルカトピやDr.ゲボックをはべらせていた。

涙を流す月香

「次、我を不愉快にさせたら――いかな汝といえども、……お仕置きじゃぞ?」
p.162

《水》の身体を乗っ取って帰ってきたキモイ感じの凶華さま。話が丸く収まりそうなところで、月香と強欲王の結婚を認める乱崎家と、結婚は認めるが地球を去ってほしいと考え厄介事は遠ざけたい政府側、結婚は認めないSYGNUSSと《水》のOASISという三すくみ。それぞれ強欲王を説得し、強欲王が一番望んだ結果が未来になる。

『我は汝と添い遂げよう。この命が尽きるまで、汝とともに生きよう。この広い宇宙で……我を見つけてくれた愛しいひとよ、汝だけに待たせはせぬ。我も――そのときを待っておる。この惑星(ほし)で……』

相変わらずこの巻も最後まで月香の話ー。というかすべては閻禍の話か。