『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』

映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』オフィシャルサイト

スタッフ

原作:滝本竜彦、監督:北村拓司、脚本:小林弘利、音楽:高橋哲也、制作:日活・DIGITAL FRONTIER

キャスト

山本陽介市原隼人、雪崎絵里:関めぐみ、渡辺:浅利陽介能登三浦春馬、加藤先生:板尾創路、下宿のお姉さん:野波麻帆

あらすじ

能登という仲間がバイクで事故って死んだ。能登は世界を悲観し、毎日を無難に生きる陽介を「根性無し」と罵倒する。そんな肉屋で高級和牛を盗んだ帰り道、陽介は噴水に座り何かを待つ少女・絵里と遭遇する。陽介の目の前で絵里はなぞのチェーンソー男と超人的な戦いを繰り広げる。絵里をサポートしつつ(主にコーヒーを入れる役)チェーンソー男との戦いを傍観する陽介。何のために戦うのか、何のために生きているのか、「誰でも一度は死にたがる…なんとなく」

感想

滝本竜彦好きとしての感想です。

まさに原作通り映像にしてくれたという感じの作品。チェーンソー男との戦いのシーンで派手なVFXを使っても、あっさり片付いてしまう戦闘。この作品は戦闘シーンがあってもなくてもいいんです。原作では一行で決着がついた戦いもあるほどです。原作が魅力としている部分や、見せたいと思っている部分をしっかりと映像にしてくれた作品だと思います。

そうなるとやっぱり、チェーンソー男との大仰な戦いのシーンが目当てな人にはやさしくない映画だと思います。でもそれでもこの作品は良い作品なんだと思います。

内容的には原作通りなので、作品を深く理解するためにも原作を読むことが前提かもしれません。そこは、映画だけでは読み取れない部分もあったと思います。下宿のお姉さんの話とか渡辺の音楽に対する姿勢とか。加藤先生の家庭訪問がばっさりカットされていたのには泣きました。原作では加藤先生の一番の見せ所といっても良かったシーンで、教育の熱意なんかも伝わってきたシーンでした。

陽介と絵里との交流、戦い、能登の存在、戦い、渡辺とのバンドの話、戦い、というような形で話は進みます。坦々と進みそうな内容ですが、チェーンソー男との戦いを間に入れることで良い機転になっています。

なんとなく生きている人やなんとなく死にたい人におすすめの映画というわけでもありません。そんなものに救いはありません。

ただ、ああ生きていて良かったのかもな、とは思うかもしれません。

評価としては、幸せなんてものはなんなのかわからないんだよでもとりあえず生きてみないか、ということを考えた75点。