『乃木坂春香の秘密6』

乃木坂春香の秘密(6) (電撃文庫)

乃木坂春香の秘密(6) (電撃文庫)

冬の大型即売会とクリスマスで乳繰り合う話。

主人公が春香のおたく趣味に対して、理解を示しているのか、単に知識だけが増えているだけなのか微妙です。否定しているわけではないけど、自身としてはおたく趣味を解ろうとはしていない感じがどうも納得いかない。

春香との関係も、相変わらずつかず離れず、微妙な距離で絶妙な展開。

コミケの描写がリアリティに欠けているというか、もはや別のイベントというか。入場とともにバッファローのように怒涛の足音をさせて走る人がいたり、走る人がスタッフの注意を無視したり。そのあたりは、あとがきで作者も触れているので、分かっていて書いているんだと思いますが。

「人生には分岐点ってやつがある」という書き出しの『乃木坂春香の秘密』第六巻。分岐というからには、大きな転機があるんだと思いましたが、この巻は転機のきっかけとなる話だと思います。

裕人が椎菜に優しくすることで、椎菜の中で「……まずいな。スイッチ……入っちゃったかも」という展開に。