さんかれあ 第12話 「あの瞬間…俺は…」

最終話。ここまで最終話らしくない最終話も珍しい。えっここで終わり?という余韻が良い。自己回復出来ないゾンビだと不便だ。自分の身体が傷んでいることを、たんたんと話す礼弥がもの悲しい。降谷は腕が腐り落ちた状態を見たところで、喜びはしても幻滅はしないだろう。そこらへん、生粋のゾンビ好きって設定がプラスに働いていると思う。蘭子が、礼弥に降谷のことが好きなのかと言われて、好きだよと即答したのは、礼弥が好きかどうかを聞くだろうと予想していたからなんだろうか。会話において頭の回る女の子はなかなかいい。

降谷は、礼弥が紫陽花の葉っぱしか食べないことをいぶかしみつつも家に置いておいてくれる家族のありがたみを感じる。礼弥と夜の散歩をする。翌日の花火大会を知り、花火に行く約束をする。花火大会は雨で中止になる。礼弥の身体を案じるばかりに、結果的に礼弥を家に拘束していることに気がつく。蘭子の提案で降谷の寺で花火をすることにする。蘭子は礼弥の着付けを手伝う。礼弥はこのままの状態がいつまでつづくかわからないと話す。降谷のことが好きなのか聞いた礼弥の言葉に蘭子は「好きだよ」と即答する。後悔しないように生きなきゃと元気づけられる。二人はライバルになる。礼弥は学校に通うことに決める。廃ボーリング場。降谷は礼弥に「出来るだけこのままでいてほしい」と話す。対して礼弥は「いろいろとやってみたい」と言う。目の焦点を失い正気ではなくなった礼弥は降谷の口元に噛み付く。

「でもあの瞬間。俺は。あの瞬間俺は、礼弥と幸福と不幸を分け合ったような気がしたんだ。あの瞬間」

おわり。

おもしろいアニメだった。キャラクターの魅力と雰囲気が良かった。内田真礼が落ち着いた良い声をしていた。原作を読んでみようかな。出来ればまたアニメになることを願っています。