やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 渡航 ガガガ文庫

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

第三巻のドラマCDを聞いて、あまりにも笑ったので読むことにした。笑える要素をそこかしこに散りばめ、「ぼっち」として共感出来る、おもしろい本だと思う。友だちがいないってこういうことだよね、あるあるとうなずきながら読める。千葉県民だけに通じるあるあるもおもしろい。そして、リア充が集団で群れる心理や、ぼっちはぼっちで自分について考え青春を過ごしていることを考えさせられる本でもある。

雪ノ下が材木座と話をするところで、自分の邪気眼のキャラクターを貫こうとする材木座に雪ノ下が「その喋り方やめて」と何回も繰り返して、材木座が閉口してしまうシーンに、声を出して笑った。材木座かわいそ過ぎる。168ページ。

目と根性が腐っていて友だちのいない比企谷八幡は教師の平塚静のすすめで強引に奉仕部に加入することになる。八幡は奉仕部で、八幡と同じく友だちがいなくて成績優秀容姿端麗スポーツ万能な雪ノ下雪乃と出会う。平塚の提案で二人は、どちらがより奉仕したかの勝負をすることになる。由比ヶ浜結衣はクッキーをつくりたいと奉仕部に依頼にくる。八幡は結衣に料理は味ではなく、自分のために料理をつくってくれたそのシチュエーションこそが大事であると話す。八幡の知り合いの材木座義輝は自分の書いたライトノベルを読んでほしいと奉仕部を訪れる。いっけん美少女と見まがうほどかわいい戸塚彩加と知り合い、テニスの練習に付き合う。結衣の所属するリア充グループの三浦とテニスコートをかけた勝負を挑まれる。苦戦するものの、八幡は校舎の風が変わる時間を知っていて、風を利用して三浦との勝負に勝つ。リア充は勝負に負けたことすらも青春の思い出にすることを思い知る。やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

 やはり青春なんて嘘ばっかりだ。
 高校三年の夏の大会で負けた自分たちを美しいものに仕立て上げるために涙を流し、大学受験に失敗して浪人した自分をごまかすために挫折は人生経験だと言い張ったり、好きな人に告白できない自分を偽るために相手の幸福を考えて身を引いたと嘯いたり。
pp.46-47