『いつも心に剣を2』

いつも心に剣を〈2〉 (MF文庫J)

いつも心に剣を〈2〉 (MF文庫J)

相変わらず三人称の視点と一人称の独白が交じりあった独特の文体にリズム感があり、気がつくと読み終わっているほどの読書感がすばらしいです。魔女審問の光景や人間の愚かしさに、目の前が真っ赤になって手を握り絞めてしまうほどの怒りが沸く文章もさすがです。

剣技で路銀を稼いでいるレーレとユユはヨナハンと再会する。ヨナハンはセルジュと旅をしていた。二人は同郷に帰るところだという。レーレたちはカネもないので、旅費や食費を負担してもらい二人に同行することに。ヨナハンの故郷に帰ってみると、ヨナハンの許婚のアラベラが魔女の疑惑をかけられ審問されようとしていた。ヨナハンたちはアラベラをなんとか救おうとアラベラに面会する。すると魔女の手下と思しい獣たちが地下牢を襲う。レーレとヨナハンはそれらを撃退する。これによりさらにアラベラへの疑惑が深まる中、ヨナハンはアラベラを助けようと地下牢へ行きアラベラと再度面会する。そんなとき、再び魔女ヘルガはハイジロから借り受けた亡者、ランドールを伴って襲ってくる。混乱する中、アラベラは自分の足で城を出てくる。アラベラが魔女の一味だと知ったヨナハンは激昂し、魔女ヘルガを仕留める。そこに現れた魔女ヨモジと魔王キジタカがヘルガとアラベラを連れていく。裏切られたヨナハンはアラベラを追う。レーレは、ユユが魔女ではないかと訝っていたセルジュに脅迫され、セルジュの従卒として旅に同行することに。つづく。

レーレはやはり能力が高い。元来の直感的なものか、ハイジロがほのめかすような強さの秘密があるのか。