『紅〜醜悪祭〜(上)』

『紅』の第三巻。銀子と、夕乃と夕乃ママに笑った。

瀬川早紀というひとりの少女が姿をくらませた。クリスマスシーズン、真九郎は紫や銀子たちのプレゼントを考える。そんな折、真九郎は銀子から柔沢紅香が死んだという驚くべきニュースを聞かされる。真九郎は瀬川静之という六歳の女の子に、姉の行方を探してほしいと頼まれる。銀子の助力から早紀が消息を絶ったらしいカジノへと足を運んだ真九郎は、《孤人要塞》星噛絶奈と遭遇する。真九郎は絶奈の圧倒的な力に叩きのめされる。つづく。

「本当に酷いです。真九郎さん、この前なんか、わたしを抱き締めたくせに。『夕乃さんがいれば他には何もいらないよ』って、耳元で囁いたくせに」
「えっ、そんなことあった?」
「ありました! 三日前、わたしの夢の中で!」
p.74

……じゃあしかたねえ。声を出して笑った。夕乃さんをけっこう好きになったかも。

「大丈夫だって。わたし野暮なことは言わないから。二人とも年頃なんだし、そうなるのも自然の流れよ。安心して励むといいわ」
「何をです?」
「もちろん、セックスよ」
p.87

お母さん直球過ぎます。

銀子に呼び出された真九郎は銀正のはからいで村上家の風呂に入る。んで、それを知らずに入ってくる銀子。真九郎を目を細めて視認する銀子の挿絵。銀子かわいいよ銀子。この絵は今までの挿絵の中でも一番好きかも。

電車に撥ねられても生きている絶奈。何か種明かしをしてくれるんだろうか。それとも本当に身体が丈夫というだけなんだろうか。

というわけで下巻につづく。