『神様のおきにいり3 ぬれおんなの巻』

魅力的なキャラクターというのは、その作品の魅力に直結するものなんだなと思った。わがままで自由奔放だけど主人公のことを一番に考えている珠枝、無条件に主人公に好意を向ける好香、ブラコンで素直になれない真希、クールだけどどこか抜けているコヒロ。

智宏たちは海水浴に来ていた。しかし海が嫌いだという珠枝はひとりお留守番。海ではしゃいだり露天風呂でむふふな状況になったりしつつ。バス停にたたずむずぶ濡れの娘に声をかける智宏。彼女は旧型スクール水着にセーラー服の上着を身につけた格好をしていた。さみしい思いをしていたぬれおんなは、智宏を殺して一緒にいようと試みる。フグの毒を使うという少し間抜けな方法だったが、エビス様の助力もあって、智宏は縁の薄い存在になってしまう。存在が薄くなった智宏は瑞穂たちに認知されなくなったが、そこで駆け付けた小さくなった珠枝によって救われる。珠枝はうつくしい黒髪と引き換えに、智宏はぬれおんなの本名を呼び、一件落着。おわり。

黒い水着をほめられて喜ぶコヒロがかわいい。

海にはいろいろなモノがいる。人の手のようなものが揺らめいたり得体のしれないものが身体を触ったり。「魚かもしれないが、魚ではないかもしれない」p.37、嫌過ぎる。

智宏が入っている男湯に当然のように入ってくる好香、とそれを女湯との柵を乗り出して見つめるコヒロ。挿絵をめくったら裏表で一枚の絵になっていて、挿絵だけで笑える。

んで、縛鎖に拘束される好香、正直たまりません。小人と仲良くする智宏がほほえましい。

第三巻は第二巻以上におもしろかったなあ。