『扉の外II』

扉の外〈2〉 (電撃文庫)

扉の外〈2〉 (電撃文庫)

修学旅行に向かう予定だった高橋進一の属する二年八組のクラスメイトたちは軟禁され疲弊していた。部屋の前方に設置された画面は現在機能しておらず、カードの供給も断たれていた。この状況で進一は一案を講じて新たなエリアを見つけ、そしてゲームが始まる……。

新たなエリア、新たなゲーム、そこで生まれる登場人物たちの感情や行動を表現したシナリオは見事だと思います。一部痛烈な社会批判や集団に対する揶喩なども含まれています。

ただ、第一巻の方がおもしろかった感はあります。第二巻は物語の伏線を広げるための話にすぎません。

あと、第一巻と第二巻では主人公が変わるわけですが、第二巻の主人公より第一巻の主人公の方が頭が切れていたような気がします。第二巻の主人公はもっとうまく立ち回れなかったものかと考えてしまいました。女垂らしレベルでは、第一巻の恋人でもないクラスメイトといちゃつくような主人公とは違って、「ああ、マキマキのポニーテールを触っていいのは俺だけだ」とさらっと言ってしまう第二巻の主人公の方が好感が持てますが。

さてさて、第三巻はどうなるのか。あるいは、作者がゲームを思い付く限り話が続くんでしょうか。