7秒後の酒多さんと、俺。3 淺沼広太 ファミ通文庫

7秒後の酒多さんと、俺。(3) (ファミ通文庫)

おもしろいなあ。キャラクターのかわいらしさを描写するのが抜群にうまい。酒多さんが天使過ぎてもう生きているのがつらくなる。今巻はにやにや出来るエピソードの連続だった。酒多さんからのボディタッチというか、手をつないだり腕を組んだり抱きしめたりと、それだけでお腹いっぱいになる話だった。一方、縁は縁で内心では朗のことを思っているらしいということがわかって、次巻の展開がたのしみでしかたない。

前巻のつづきから。朗の異能が使えなくなった。そのことを酒多さんと縁には秘密にしたまま、酒多さんをフォローしようとするが、酒多さんが転んだりアルバイト中に皿を割ったりし、フォローに失敗する。夏休みになり、酒多さん、縁、晴美、川原、碧店長と熱海初島へ旅行することが決まる。碧店長の服飾専門学校時代のつてでモデルとしてファッションショーに参加して欲しいという提案だった。旅館にて、卓球をして酒多さんの胸が上下左右に揺れたり、川原が先導する形で間違えて女風呂に入ってしまったりしつつ。夜に縁に呼び出され、頬にキスされて、縁に異能が使えなくなったことがばれてしまう。ファッションショーは酒多さんがウエディングドレスを着て、ハプニングにみまわれつつ終わる。朗は酒多さんの役に立てなくなってしまったと思い悩み、実家の鎌倉へと帰郷する。追ってきた酒多さんと商店街デートをしながら、朗はこれまで異能のせいで仲間はずれになってきたことを酒多さんに話す。帰りの電車で、酒多さんは朗が異能を使えなくなったことに気がつき指摘する。異能が使えないことで酒多さんをフォロー出来なくなったが、酒多さんに「普通の男の子に戻った」だけだと励まされ、朗は涙を流す。朗は酒多さんが好きなことを自覚し、思わず酒多さんに告白してしまう形になる。突然異能が戻り、七秒後の声が聞こえるようになる。エピローグ。みんなでお祭りへ。なぜか縁の心の声が聞こえる異能が使えるようになる。

「普通に慣れていけるかな?」
「いけますよ。朗くんなら。わたしは朗くんの隣にいます。だからなんでも相談してください。普通の人の先輩としてアドバイスしてあげます!」
p.213

次で最終巻。たのしみだなあ。酒多さんの名前が気になる。