『狂乱家族日記 番外そのに』

狂乱家族日記 番外そのに (ファミ通文庫)

狂乱家族日記 番外そのに (ファミ通文庫)

番外編の二冊目は千花の巻。

千花の記憶に忘れられていたビタミンCこと姫宮百万子(もよこ)の悪夢の思い出話。突然破壊の力に目覚めたマイちゃんこと恋町麻衣子との話。ダイエットのために悩んでいたはずなのに、家族全員から誤解されて、謎の隔離空間に入れられてしまった千花とマリマリこと毬原万里の話。姫宮本家の最長老・姫宮京子の葬式で、幼い千子が銀一と黄桜乱命に出会う話。

「どうしても無理な試練があったり、苦しくなったりしたら我を呼ぶんじゃぞ。こんな隔離空間くらい、かるぅく打ち破ってやるからのう。乙女心とやらはかなり強大な存在じゃが、我はほれ、無敵キャラじゃから。……千花が餓死したら哀しいしのう」
pp.161-162

さすが無敵キャラの月香さん。

『だって一つ屋根の下ですよ一つ屋根の下? 好きな相手が同じ家のなかにいるんですよ? 最高じゃないですか! やりたい放題やればいいんですよ! あたしだって血さえ繋がってなければ清くんを……清くんををを……今だって耳かきしてあげたらあたしの膝の上で居眠りしちゃってお姉ちゃんはお姉ちゃんはもう我慢でき――』
「親御さんが哀しむから犯罪だけはやめなさいね?」
p.216

恋愛相談をしたらひとりでハッスルしだすひーちゃん。落ち着け。ぜひひーちゃん主観の話を書いてほしいなあ。

 デコレーションケーキ。
p.238

一行目だけで誰だかわかるキャラクターも珍しい。しかも名前は「百万子」だし。これは伏線というか、ミリオンも仲間になってくれるという暗示じゃろうか。

黄桜乱命の登場で、また話の風呂敷が広がった気がする『番外そのに』。

『狂乱』世界はいつ完結するんだろうなあ。