『扉の外III』

扉の外〈3〉 (電撃文庫)

扉の外〈3〉 (電撃文庫)

主人公・中山美鈴たちの属する二年二組は修学旅行に行く予定だったが、気が付くと教室大の部屋に軟禁されていた。陣取りゲームに失敗しカードの配給が無くなると共にクラスメイトたちは無気力になっていった。そんなときソフィアは新たなゲームを提示する。『CRYSTAL・LABYRINTH』弾丸や様々なアイテムを使って迷宮を探索するバーチャルサバイバルゲーム。「三つ目の扉をくぐり抜けゴールしたプレイヤーには、外への脱出と、その他副賞として豪華特典が与えられます。皆さん、こぞって参加いたしましょう」……。シリーズ完結の第三巻。

 ――やる気のない奴らは皆死ねばいい。この世界で存在意義のない奴らは、この世界で生きている資格もない。くだらない。もうやめちまえ。くそったれ。死んじまえ……

今まで読んだ文庫の中でも特異で魅力的な作品だと思っていましたが、それも第三巻を読むまでの話で、完結してみると全体に霞がかかったような脱力感におそわれました。外に出て最上階を目指した生徒たちはどうなったのか、このゲームを管理し成り行きを観察していたのは誰だったのか、すべての話に係わり合っていた愛美はどのような存在だったのか、最後に蒼井が見たものはなんだったのか……。