『ねくろま。』

ねくろま。 (MF文庫J)

ねくろま。 (MF文庫J)

MF文庫Jの問題児・平坂読の新シリーズ(次巻出るか知らんけど)。

表紙裏、作者紹介が

平坂読(ひらさか・よみ)
第0回MF文庫Jライトノベル新人賞最優秀賞受賞。
アレげ

となっているのもどうかと思いますが。

ファンタジックなラブコメです。ヒロインは、無口で色白の、服を着ていない女の子です。下着すらつけていません。常に全裸です。信じられないかもしれませんが、本当です。

とかなんとか、本書折込の広告に書いてありました。

ヒロインは無口で色白です。そして全裸です、素っ裸です、エロ漫画における断面表現もびっくりの丸裸です。

「わたしが勝ったらソリスくん、おとなしくわたしのおムコさんになってくださいね」
 と、少女。さらに、
「わたしが負けたらわたし、おとなしくソリスくんのおヨメさんになってあげます」
 少年、頬をさらに赤らめて、「う、うん」と頷く。いいのかよ。

プロローグから、美少女でいて快活な性格のヒロインに好感が持てます。ヒロインは人の話を聞かないタイプの娘ですが、頭が悪くないので嫌味を感じません。主人公を引っ張っていっちゃうようなタイプの娘が好きな人におすすめです。

文体は独特です。主人公のモノローグ(というか内心)と作者の突っ込みが一体になったような形で書かれています。それがテンポ良く読めるのでおもしろいと思います。ただ、序盤は特に、文章中の文字が強調太字になっているんで、そこだけが読みにくかったです。

そこはかとなくそこかしこにおもしろ展開があるシナリオです。しかし、魔法世界のファンタジーものですが、特に強い敵がいるというわけでもないので(次巻以降の伏線のような描写はあるけど)、全体的に盛り上がりに欠けます。クライマックスと呼べるところはないように感じました。

あとまあ、挿絵がもう一歩です。男キャラクターの扱いがぞんざいなのかもしれません。ヒロインたちはそれなりですが、メインヒロイン(裸)が微妙過ぎます。裸だからって粗雑に扱うのもどうかと思います。

軽く読めるライトノベルとして、読みたければ読めばいいじゃない、というくらいの評価で。