『まかでみ・らでぃかる5 テロリストなんですけど。』

ページが少し少ない。あと一話分くらいあってもいいと思うんだけど。

「…………元気な子がいい」
 病気や疲労に負けないように。
 自分より先に死んでしまわないように。
「明るい子がいい」
 拓人の沈みがちな気持ちを引き上げてくれるように。
「素直で無邪気な子がいい」
 つまらない世間体や見栄とか体裁とかに惑わされないように。
「頑固な子がいい」
 一度こうと決めたことをまず覆さないように。
「…………」
 苦笑しつつも拓人は手にしたペンを走らせていく。
 人間でなくてもいい。
 従順でなくてもいい。
 ただ……運命を、不幸を、理不尽を、不条理を、悪意を、暴虐を、事実すらも、ありとあらゆる障害をはね除けてでも、自分の側にいてくれる誰か。

 褐色の肌の。
 紅い髪の。
 紅い瞳の。
 元気で。無邪気で。そして頑固で。
 猫みたいで。でも犬みたいで。
 笑うととても可愛くて。
 つまらない打算とか、計算とか、思惑とか、そういったものとは関係なくずっと側にいてくれる少女を。羽瀬川拓人という少年の存在と価値を認めてくれる、この世界で唯一にして無二の存在を。
 そんな……少女を。

ちょっと泣いた。……、まあ激しくエゴな妄想ですが。

拓人が帰ってくるシーン、落し方はいいけど、もう少しタナロットと会えたことをシリアスに描写してほしかったかなあ。