『えむえむっ!』

えむえむっ! (MF文庫J)

この文庫は以下のような人におすすめです。

• 美少女に罵倒されるのが好き
• 美少女に足蹴にされるのが好き
• 美少女に殴られるとハァハァする
• 美少女に冷たい目で見下されたい
• お母さんやお姉ちゃんにちやほやされたい
• 変態、変態、変態っ！

どれかにあてはまった人は読むことを強くおすすめします。

美少女に強烈なビンタをくらってから、マゾヒズムの気質に目覚めてしまった主人公が、愛しの人に告白するためにドM気質を治そうと辛労する話。主人公の変態ぶりがたまりません。その変態ぶりたるや、昨今のライトノベルの中でも群を抜いているのではないかと思います。そして、主人公を取り巻く登場人物たちにまともな人間はいません。

主人公のことを心の底から怖がっているヒロインに、キレられて罵倒され拳を打ち続けられ、主人公は官能の世界へと旅立ちます。

　例によって例のごとくドMを発動させていた。というかこんな極上のシチュエーションでドM体質が目覚めないわけがなかった。
「あははははははっ！　こ、殺せぇ！　もう殺せよぉ！　その快楽の刃で俺の肉体を破壊しろぉ！　そのとき俺の魂は肉体のくびきを超えて超官能的世界へと――」
「い、いやぁ！　怖い！　こわいこわいこわいこわいこわいっ！」
「シャ、シャングリラ――――――っ！」

文章や表現方法が圧倒的にうまいというわけではありませんが、キャラクターが魅力的で台詞やシチュエーションに惹き付けられます。

最近読んだ中でもっとも面白かった文庫です。