『蟲師』

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スタッフ

監督:大友克洋、脚本:村井さだゆき、音楽:硨島邦明、配給:東芝エンタテインメント、製作:「蟲師」フィルムプロジェクト

キャスト

ギンコ:オダギリジョー、庄屋夫人:りりィ、庄屋主人:りんたろう、真火:守山玲愛、真火の母:クノ真季子、ヨキ:稲田英幸、ぬい:江角マキコ、虹郎:大森南朋、淡幽:蒼井優、たま:李麗仙、ぬいの亭主:沼田爆

あらすじ

「蟲」と呼ばれる普通の人の目には見えない生き物をめぐる話。

感想

アニメの『蟲師』が好きなので観に行くことにしました。

不思議要素と全体的にホラーな要素で出来ている感じです。ホラーというのは、蟲に侵された人たちの話に焦点をあてて作られていたから、そう感じるのだと思います。まるで蟲が人間に危害を加えているだけの存在のような描かれ方です。

原作漫画・アニメ共に第一話の登場人物はこんなことを言っていました。

でもばあちゃん 僕はそのおかしなもの達が この世界にいるってことが 嬉しくてたまらないんだよ

自分の中で『蟲師』という作品の根幹はここにあるので、映画『蟲師』は少し違和感を感じました。映画で描かれた「柔らかい角」「雨がくる虹がたつ」「眇の魚」「筆の海」の各話も、自分が感じていた結末と映画の結末に違いがありました。

一部原作にはない話として、ギンコが蟲に侵されて病んでしまう展開がありますが、物語後半ではいつのまにか治っています。歩くのもつらそうな感じだったのに、後半で突然元気に走り出したりするので、つっこみどころだと思います。

現実には存在しない蟲なので、その部分はVFXで描かれています。その蟲がなんとも自然で、そこに存在しているような映像でした。『蟲師』の世界とも合っていて良かったです。

原作を好きな人が観に行ったとして上に書いたような理由から、おもしろいと思うのかなぞです。また、原作を知らずに、この映画単体として観た場合にもおもしろいかというと、微妙なところです。不思議要素は満載ですが、わからないところだらけだと思います。ホラー要素もありますが、ホラー映画のような怖さはありません。この作品に何よりも圧倒的に足りないのは、「蟲」をテーマとした感動だと思います。

とりあえず評価としては、アニメが珠玉の作品なので『蟲師』が見たい人はアニメを見ましょう、という感じの50点。